エリートな彼に甘く奪われました
遼が大きな目をそっと閉じながらゆっくりと顔を近付けて来る。

私の唇に触れた瞬間、彼は一瞬だけ薄く目を開けて私の目を見てまたすぐに閉じた。

私は至近距離で初めて見る彼の顔にぼんやりと見入っていた。

睫毛、長い。
綺麗…。

彼は私の髪に指を差し入れ頭を押さえつけてきた。

会話をする様に何度も重ね合う唇から甘い感覚が広がっていく。

暫く彼の私を求める綺麗で甘い顔を眺めていた。

そっと唇を離して目を開けると彼は私を見詰めてふふっと微かに笑った。

「わかった?俺の気持ち」

そう言って私の目を覗き込んで来た顔に、また私から近付くと彼の顔がふっと遠ざかった。

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