エリートな彼に甘く奪われました
彼が発する言葉や視線、柔らかい仕草のひとつひとつが私の魂を少しずつ抜く様に揺さぶる。

彼の唇に触れながらそっと目を開けると、彼は動かずに顎に手を添えたまま目を開けてじっと私を見ていた。

私にされるがままになりながら微動だにせず私を観察しているかの様に…。

「……!」

私は驚いてぱっと顔を離した。

「り、遼、どうしたの?」

「いや、愛がキスしてくる顔が可愛いからさ、ずっと見てた」

「…や、は、恥ずかしいわ、そんなの、見ないで」

「どうして?いいじゃない。俺を好きだって書いてある顔がさ、堪らないんだよね」

恥ずかしくて茶色の大きな瞳から目を逸らす。

すると顎を優しく掴まれて彼の方へ顔を向かされた。

「愛も、見てていいよ、俺が愛を好きだって分かるから」







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