エリートな彼に甘く奪われました
何…だったんだろう。

あの深い瞳の中に吸い込まれそうな感覚。

生まれて初めての不思議な瞬間だった。




午後の業務が始まってからもさっきの不思議な瞬間が、彼女の黒くて深い大きな瞳が、揺れる柔らかそうな髪が、頭をよぎって離れない。

初めての感覚に戸惑いながらも淡々とパソコンのキーボードを打ちグラフを解析する。

しかし神経を一際浪費する解析業務に集中するには、あまりにも雑念が多過ぎた。


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