エリートな彼に甘く奪われました
―――。
大好きな茶色の柔らかい髪にそっと触れる。
シャラ、シャラ、と流れ落ちてじん、と幸せな気持ちになる。
「またさわってる…。そんなに楽しい?」
呆れた様に笑いながら彼が言う。
「楽しいとかじゃなくて、好きなのよ、サラサラしてて綺麗だもの…」
「ふぅん?まあ、いいけど」
言いながらまた彼の手が私の身体にそっと伸びてくる。
「遼、もうダメだってば…」
その手を掴んで押さえる。
「ケチだなぁ。俺のものなのに」
口を少し尖らせて拗ねる遼にまたしてもドキリと心臓が跳ね上がる。
ほんとに落ち着く暇がない。