エリートな彼に甘く奪われました
「え、ち、ちょっと待って」

話の展開に付いていけず、何がどうなってそうなるのか混乱する俺に、また周り全ての人間が、動きを止めて、しんと静まり返って注目していた。

「え、えっと、俺は別にそういうつもりは……なくて、」

「え…、なんで……」

森山の俺のネクタイを掴む手の力がゆるゆると弱まっていく。

「あの、勘違いさせていたのなら…」

俺は何となく後ろめたい思いがしながらも話を続けようとした、その時、


「ちょっと、待ったぁ!!」

俺達のいる場所から少し離れた席から、威勢のいい男の声がした。




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