エリートな彼に甘く奪われました
「ところでさ、」

しばらくして釜田が口を開いたので俺は顔を上げて彼を見た。

「話、出来なかったけど、愛ちゃん、可愛かったなぁ。」

は?誰が?
何の話だ。

「お前の向かいだったじゃん。俺もお前にくっついてお前の横にいたから、ラッキーだったのに、あの状況じゃ話どころじゃなかったなぁ」

ん?こいつは彼女の事を言ってるのか…?

「ん?何だよ、どうしたぁ、急に黙り込んで」

…はっ!

「い、いや」

釜田は一瞬、俺の様子を見て不思議そうな顔をしたけど、また話しだした。

「安東先輩と別れたみたいだから、あちこちであの子を狙ってるヤツがいるみたいだからなぁ。まあ、女版のお前だな。あはは」


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