エリートな彼に甘く奪われました
雨はなお降り続けている。

「風邪、引いたら大変だわ」

私の呟きに彼が

「え?」

と反応した。

しかしこんなに濡れたままビアホールに戻る訳にもいかない。

私は彼の手をばっと掴むと引っ張って歩きだした。

「え?え?七瀬さん?」

彼が何か言おうとしてるけど小走りにずんずん進む。

そうしているうちに、いつしか彼も黙って私に素直に付いて来ていた。
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