エリートな彼に甘く奪われました
「自分でもわかってるんだ、こんな俺…、普通じゃない、って。
知り合ったばかりの君に…、困らせるだけだって。
でも自分を抑えられない。


君が、好きだ」

彼が話す度に彼の吐息が肩と首の間にかかり、ぞくぞくとした感覚に見舞われる。

背中から彼の体温がじわじわと伝わってくる。

私は彼の腕の中で何も言えずにただ彼の体から直接伝わる甘い振動を感じていた。


う、うそ、何を言い出すの?

絶対にあり得ない。

今、私を抱き締めるこの腕が、あの浅香さんのものだなんて。

本当に、信じられない。


< 57 / 236 >

この作品をシェア

pagetop