エリートな彼に甘く奪われました
そっと目を開けると、私を見詰める彼の大きな瞳が目の前にあった。

「……!」

驚いて目を逸らそうと視線を首ごと横にフイッと向けると、温かい彼の両手が私の頬をふわりと包んだ。


「どうして逃げようとするの?
俺の事が怖い?」

「いっ、いいえ!そういう訳じゃ…」

怖いだなんて、そんな訳がない。

むしろまだなお、さらに深く彼を求めているのに。

胸が締め付けられて息苦しい……。



そんな私を煽るかの様に彼の茶色の大きな瞳は私の目前で揺れている。

子供の頃によく読んだプリンセス系の童話に出てくる王子様って、きっとこんな感じの人なんだろうなぁ、なんて考えながらついうっとり彼に見惚れてしまう。






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