エリートな彼に甘く奪われました
「お風呂、入れますよ。
着替えは、これ、兄の物なんですけど、時々出張でこちらに泊まるもんですから…。あ、まだ二回程しか着てないから、大丈夫ですよ。…って、お兄ちゃんが汚い訳じゃないんだけど。兄も浅香さん程の背の高さなんです。百八十二センチなんです。短くないですよね、大丈夫ですよね?」

私は兄のスエットスーツを差し出して一気に話した。

浅香さんはポカンと驚いた顔で私を見ながら話を聞いていたけど、ニコッと笑った。

「あはは、どうしたの、急によく話すから、驚いたよ。
俺は後でいいから、七瀬さんから行って来て。」

「い、いいえ、浅香さんから行って下さい。風邪気味なんでしょう。
私はその間に着替えておきますから。」

「そう?じゃあ、そうさせてもらおうかな。
ありがとう」

彼は私の手から着替えを受け取ると、軽く屈んでお辞儀をする様な体勢になり私の顔と自分の顔の高さを合わせると、首を傾げてチュッと軽くキスをしてニコッと笑って浴室へ入って行った。

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