エリートな彼に甘く奪われました
「あ、ううん、か、帰るの…?」

「何?さみしいの?いてほしい?」

「え…、いえ、そういう訳じゃ」

「え?、ひどいなあ。そう聞かれたら、さみしいって言うものだよ」

会話の全てが甘く切ない。

「ところで、さ、俺達、恋人になれたんだよね?」

「……!」

改めて聞かれると戸惑ってしまう。

どうしてこうも素直でストレートなんだろう。

「ね、愛、俺は君とこれからずっと一緒にいたい。

君は、違うの?」

そんな訳ない。
私だってあなたを私のものにしたい。

あなたが今日、私にした事、もう他の誰にもしてほしくない。

だけど、独り占めなんて出来るの?

彼は遠くから眺めて憧れる事しか出来なかったあの浅香さんなのよ?

しかも、会社に知れたら。
私、居られなくなるんじゃ…。

実家には兄が結婚して同居してる。
義姉と姪もいるから会社を辞めて帰る事なんて出来ない。


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