Sky heart

一筋の光の行方






骨折と打撲。
2ヶ月入院。



聞き取れたのはこれだけ。




医者は何か難しいことを言っていたけれど、あたしにはそれを理解することなど、もちろんできるわけがなかった。


理解しようとしない、あたしが悪いのだけれど。




お母さんはしっかりと医者の話を聞いていた。


あたしは完璧上の空だった。




昨日まで空を覆っていた真っ黒い雲は、まるで吹き飛ばされたかのように消えていて、代わりに昨日見えなかった太陽が姿を見せている。



今日は世間に言う、良い天気。


太陽が眩しすぎて、あたしはゆっくりと目を細めた。




ここは、日当たりが良すぎる。





体の中のことは分からない。


分かるのは痛いということ。


右足が動かないということ。



それだけ分かれば、あたしには十分。




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