プラトニック・ラブ
深谷はあたしの憤慨する顔を見て笑うと、
「いるー?」
齧った食べかけのサンドイッチを手を伸ばして見せ付けてきた。
普通に手を伸ばせば届く距離。
だけど。
「いらないし!!!」
あたしは力強く深谷の腕を叩く。
深谷は満足そうにニカっと笑うと、
「じゃー遠慮なくいただきます!」
そう言って一気に口の中におさめた。
勿体無い…そんな一気に…。
あたしは「美味いー」なんて満足そうに頬に手を添えている深谷に掴みかかった。
「あたしのサンドイッチ返せーっ!!」
「はぁ? 『いる?』って訊いたとき『いらない』って答えたのは皆川でしょー?」
「お前の食べかけサンドイッチなんていらないって言ったんだッ!!」