ma Cheri
父の想い
教室に戻ると、自分の席に座りながら深刻な顔をしている快がいた。
私の気配に気が付くとほっと息をついたあと、急いで駆け寄ってきた。
「シェリ、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。…30分後に笹川公園で鍵谷くんと会う。」
まっすぐに快を見つめると、最初は不安そうだったが私の顔をしばし見たあとふわりと微笑んだ。
そしていつものように優しく私の頭を撫でた。
「シェリも変わっていくんだな。がんばれよ。」
快は幼馴染であり、お兄ちゃんのような存在だった。
「じゃあ、行ってきます。」
いつもとは違う。優しい『いってらっしゃい』の声が聞こえる。