マジで恋する10秒前!?
―――ガラララッ
勢いよく扉が開いて、助産師さん達が出てくる。
「古野さんの、お知り合いはいらっしゃいますか!?いらっしゃいましたら至急、私のもとに!!」
口に手を添えて、大きな声で張り上げる。
顔には大粒の汗が伝っていた。
「――はい!私達です」
私と裕樹は、その場を立って手を上げた。
「すいません、それではこちらに―――・・・」
助産師さんに促され、赤ちゃんがいる部屋まで連れて行かれた。
保育器に入って、すやすやと目を閉じている菜々子の赤ちゃん。
お母さんが死んだ―――なんて思ってもいない....いや、正確には分かんないんだろうね..
「可愛いですね・・・・良かったね、お母さんが命をかけて、あなたを産んでくれたのよ?」
赤ちゃんに優しく話しかける助産師さん。