─仮面─偽りの微笑み
「どう言う事?」
ユウリは2人に問いながら、ソファーに腰を下ろした。
当然ながら劉兒もユウリの隣へと腰を下ろす。
「お前説明しろよ…」
劉兒は暢にそう言い、「だから嫌だって言ったのに…」とボソッと呟いた。
「ユウリちゃんごめん!…全部俺が悪いんだ」
しかめっ面のユウリに暢は頭を下げる。
「何があったのよ」
「…それは」
「会社が危ないから助けてくれと…暢さんは父さんに頭を下げさせたんですよ…この俺にね」
「「「えっ?!」」」
不意に聞こえた自分達以外の声に、3人は驚き一斉に声のした方に向いた。
開けっ放しの社長室のドア、そこにもたれるように立つ棗がいた。
「まぁ…嘘だった訳ですけど?」
「お前…知ってたのか?!」
劉兒がそう聞けば、棗が「ええ」と嫌みな笑顔で答える。