─仮面─偽りの微笑み

「どう言う事?」



ユウリは2人に問いながら、ソファーに腰を下ろした。



当然ながら劉兒もユウリの隣へと腰を下ろす。



「お前説明しろよ…」



劉兒は暢にそう言い、「だから嫌だって言ったのに…」とボソッと呟いた。



「ユウリちゃんごめん!…全部俺が悪いんだ」



しかめっ面のユウリに暢は頭を下げる。



「何があったのよ」



「…それは」



「会社が危ないから助けてくれと…暢さんは父さんに頭を下げさせたんですよ…この俺にね」



「「「えっ?!」」」



不意に聞こえた自分達以外の声に、3人は驚き一斉に声のした方に向いた。



開けっ放しの社長室のドア、そこにもたれるように立つ棗がいた。



「まぁ…嘘だった訳ですけど?」



「お前…知ってたのか?!」



劉兒がそう聞けば、棗が「ええ」と嫌みな笑顔で答える。

< 202 / 268 >

この作品をシェア

pagetop