─仮面─偽りの微笑み
「美麗ちゃん、どうかしたの?」
心配そうに顔を覗き込む繭璃に、美麗は経緯を話した。
「でね…もし他に誰かいたとしても身体を繋げれば、その時だけでもあたしだけの彼になってくれるかなって…」
「だから私に聞いたの?棗さんとのこと」
「うん…」
「だめだよ美麗ちゃん、そんなの悲しいだけだよ!」
「…だよね、でも…それでもいいって思えるくらい好きなの…バカだよねあたし」
切なく顔を歪め、今にも泣き出しそうな美麗が信じられなかった。
いつも自信に満ち溢れ堂々していて、羨ましいくらいに輝いている彼女が、今は崩れ落ちそうな程に弱々しい。
「美麗ちゃん…修一さんにちゃんと聞いてみたら?」
「聞けないよ…いたって言わないかもよ?」
諦めを含んだその情けない言い方は、美麗らしくなく、繭璃は心を痛めると同時に思う事もあった。
「修一さんのこと信じてないの…美麗ちゃん?」
繭璃の言葉に美麗は"はっ"とした。