One-Diamond †王子様がプロデュース†
一時間、俺は客に営業電話して時間を潰した。
「…怜さん」
『あれ?女の声。怜あんたまた女出来た?』
「いや、妹です。じゃ、またかけ直します」
電話をきって振り返った。
「わ、肌ツルツル。後は服と髪型だな」
「ニキビなくなった」
「俺の言う通りだろ?」
「ありがとう」
「まだまだだ」
「あたし、零花」
「あっそ、零花姫様、次の店行きますよ」
客の一人が経営する美容室に入った。
「あ、怜くん。来てくれたの?……って彼女さん?」
「従姉妹だよ」
客の前では絶対王子様キャラを崩さない。
「偽王子」
「なに?お腹空いた?零花ちゃん」
王子様スマイルのまま横目で零花を睨む。