それが恋だと知ったから。
「問題は服なんだよね…。」



クローゼットの前で悩んでいる雛乃が、
ふと口にした言葉。



「沙羅はシンプルなのしか持ってない…。」



そう。



私はシンプルなのしか持ってない。



女の子らしいのは絶対似合わないから、
一度しか買った事がない。



「ピンクっぽいワンピとかない?」



私に向かって聞く雛乃。



「一着ならある…。」



と私が取り出したのは一度だけ買った事があった、
女の子らしいピンクのフリルがついたワンピだった。



それを見た雛乃は満足したように、



「うん!それ来て!」



と言って茶色いベルトと一緒に渡して来た。



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