それが恋だと知ったから。
「…すごい…」



私がやっと口にした言葉を聞いた雛乃は、
安心したように笑った。



「でしょー?」



目の切れ長を主張するようなアイライン。



緩く可愛らしく表現されてるチーク。



長すぎず短すぎず、
ちょうどいいくらいのマスカラ。



そのメイクに合わせるような髪型。



「本当に私?」



と疑ったほどのものだった。



「沙羅は元がいいからやりやすかったよ!」



と言って片付けている雛乃。



「なれるよ。雛乃なら、
美容師なれるから。」



と言った私に、



「沙羅に言われたらできる気がする!」



とばかな発言をしていた。
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