黒猫*溺愛シンドローム



……またか。


ダイスケは、年がら年中そればっかり。

女の子のことしか考えてないもんなぁ。


ついこの間まで、後輩の“マリちゃん”が可愛いって騒いでたくせに。


ホント、女好きって言うか、惚れっぽいって言うか飽きっぽいって言うか……


だから、1人の女の子と長続きした試しがなくて。

“彼女”と名のつく女の子が、過去に何人いたことやら。

ここまで来ると、一種の病気だよね。



「…ダイスケさぁ、」



正直、あんまり関わりたくはないけど、“友達”としてこのへんでちゃんと教えてあげないとね。



「いい加減、ちゃんと狙いを定めなよ。」


「……はっ?」


「そりゃ確かに、ダイスケは射的が得意かもしれないよ?でも…」


「しゃてき?」


「“数打ちゃ当たる”ってわけにはいかないでしょ?“恋”ってものは、さ」



“たった1人”に的を絞ったって、なかなか当たらないんだから。


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