虹色の三日間
一日目

私は美人。頭がよく、明るく、よく気付き、笑い、嫌みもない。完璧な人。みんなの憧れ、人気者。


になるはずだった。




あと三日で春休みに入る西山高等学校の生徒、沢田綾香は電車に揺られている。


毎朝電車で通学する。美人な私は痴漢に合い放題って訳でもない。何故か痴漢にあったことが一度もない。魅力がない訳がない。毎日エクササイズをして体重を維持し、肌のお手入れもかかさない。


なのになぜ?誰も痴漢をしない?ピチピチの肌にミニスカート。し放題じゃないの?


「次は、西町駅西町駅。」


今日も、誰にもさわられずに登校した。何で?森本由香はされたことあるのに、山本梓もされたことあるのに、超絶美人な私はされない?世の中おかしいわ。

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