【【リセット】】
ぽとり、と涙がこぼれた。


「こんな、古い写真を・・・」


そこには。


1度目の私と夫、そして・・・


そして「あの子」が写っていた。


ゆっくりと、ゆっくりと体が冷えて行くのが分かった。


血液が瞬く間に失われ、体温が奪われて行くのだろう。


それでも、私の顔だけは燃えるように熱かった。


体中が痛くて、何もかもが悲しくて私は泣き続けた。


それでも「リセット」しようとはもう思わなかった。


このおぞましくも素晴らしい人生を、どうか最後まで全うする力を。


「リセット」する力ではなく、どうか人生を生き抜く力を。


私は女性にすがりつき泣き続けた。


そしてオレンジの花が夜空に咲くころ、私の5度目の人生は終わりを迎えたのだった。
< 14 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop