相合傘
『家族と連絡とれたかい?』
そういって、おばあちゃんは三月を心配してくれた。
三月は、いいえ、と答えた。
すると、おばあちゃんは、受付を指差し、こう言った。
『あっちで、連絡の取れない人の連絡先を教えておいで。
受付の人が連絡を取ってくれるからね。私もそうしたよ。亡くなっていても、生きていても
ちゃんとこちらまで来て、教えてくれるから。安心できるよ。
大丈夫よ、あなたみたいなお人形さんみたいにかわいらしい子を残して亡くなったりしないわよ。
今は、家族の方の無事を祈りましょう。』
< 23 / 49 >

この作品をシェア

pagetop