♂見習いサンタ♀


ジジィは悲しそうに肩を落とした


そしてその様子を満足そうに眺めている女


ジジィ…先代のサンタ・クロースの秘書のリルル様だ


リルル様も性格がキツイ……


キララと同じ位の毒舌だ


『入口の前に突っ立ってないで中に入りなさい』


リルル様に言われ、俺らはおずおずと中に入った


天井が高く、日の光が存分に入る様な構造の中は電気がなくても充分に明るい


ジジィのハゲ頭が艶やかに光る


『お主…今、ワシの事をハゲ頭と思ったであろう?』


『げ、バレた』


『“バレた”じゃなかろう!!!少しは否定せぬか!!!』


ジジィが怒りの声をあげる


俺とジジィはいつもこんな感じだ


もちろん尊敬はしている……が、どうもジジィに対しての態度を変える気にはならない


『ハゲジジィ、さっさと話を済ませて下さい』


『リルルちゃんも容赦が無いのぉ……』


きっとジジィがこんな性格だからだろうと思う


『リルル様…ハゲジジィじゃなくて老いぼれジジィです』


『キララ…それは生温いですよ?死にかけジジィに決まってます』


『お主ら…ワシに怨みでもあんの?』


キララ&リルル様のダブル攻撃にジジィは泣きそうな顔をする


お気の毒だ









< 10 / 41 >

この作品をシェア

pagetop