♂見習いサンタ♀
『…そんな薄着でここに居るって事は…入院してるのかな?』
そう問い掛けた後、俺は自分が着ていた服を少女に掛けてあげた
少女はパジャマらしきものを着ていて、薄着だ
外は気温が低いし……病人が体を冷やしちゃいけない
『貴方…見た目の割に賢いのね』
『勉強は全くだけどね』
俺が肩をすぼめながら言うと、少女は「だろうね」と呟いた
自分で言うのはいいけど、人に言われると……何だかなぁ……
『この服…返すね、もう病室帰るから大丈夫』
少女は俺が掛けた服を俺に返すと、スタスタと病院に向かって歩きだした
俺も急いでその後についていく……
『送っていくよ』
俺が少女の顔を下から覗き込みながら言うと、少女はチラッと俺を見た後に口を開く
『それは結構よ、馬鹿が移る』
『アレ?俺の優しさに対して毒で返す感じ?』
……さすがに酷くない?
俺は黙って病院への歩みを止めない少女の後についていく
そういえば名前…聞いてないなぁ……
病室に着いてからでいいか
俺はスタスタと速足で歩く少女の背中を見つめて、置いて行かれないように自分の足も速めた