チビッコ彼氏。
今は9時50分……
さぁ、あたしも準備しなきゃ。
とりあえず、財布とポーチを鞄に入れて、適当に必要な物を入れた。
そして携帯片手にあたしは部屋を出た。
階段を下りながら時計を見ると、57分。
なんとか間に合った。
さっき美由を送った後に出しておいた靴をはいて、あたしは家の外に出た。
外に出ると、もう南波は待っていた。
「南波!!待った?」
あたしが出てきたことに気付いたのか、南波は振り返った。
「あ、別に。今10時丁度……」
「そっか。良かった!!…って、何?あたし何かついてる?」
よく解らないけど、南波はあたしをガン見し始めた。
「あ、いやっ!!な、何もねぇよ」
「そ、そう?」
明らかにおかしいけど、あたしには関係ないし、何も言わないでおこう!!
「じゃ、じゃあ行くかっ!!」
「あ、うん」
そう言うと南波はあたしの前を歩き出した。
ってか、南波は何処に行く気だろう……
そんなこんなで、あたしと南波の無理やりデート?が始まった。