ゴメン、素直になれなくて
何度も何度も繰り返されるキス。



熱い歩夢の体温に

頭がぼんやりしてくる。


歩夢…





「彩ちゃん…スゲー好き」


熱い目で私を見る歩夢に
毒されていく。



「う…ん…」



私の言葉に
歩夢はいたずらに微笑んだ。


「彩ちゃんは俺のこと好き?」



歩夢の指が体をなぞる。


「好きじゃない…」


どこまでもあまのじゃくな私…



「好きって言わないと…最後までしちゃうよ?」


歩夢の表情に顔が熱くなる。


好きって言えば…

歩夢は途中で止めるのかな?


止めれるの?



ガッカリする歩夢が…

見てみたいと思うSな私。



私は歩夢の首に

両手を回して耳元で囁いた。


「大好きだよ」














その日

私が先輩を思い出すことは

最後までなかった。






 *fin*



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