複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
「「「『……;;』」」」



「――早く駐車しなさい」



灯ちゃんは運転が代われる事に安心したのか、コンビニの駐車場に入ろうとして、見事に車を歩道の淵にあった小さな木で擦らせた。

駐車線を無視した止め方をしてたけど、樹はそれどころじゃないらしい。

全員で車から降りて確認すると、見事に助手席のドアから後部のドアまで無数の曲線を描く傷。



「……帰ったら怒って?;;」



怒り狂いそうな樹に横から抱き着き、私は叫ばないように先手を打った。

樹は私の頭をガシガシと撫でると、運転席に乗り込んだ。
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