複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
匠を助手席にし、私たち4人は後部座席へ。

さすがにもうすし詰めに近い状態が嫌で、私と灯ちゃんは3列目に座った。

静かな車内に時々、響く樹の舌打ち。

灯ちゃんは舌打ちされる度に反応し、最終的には私に「フォローよろしく!;;」と言う。



「優香を頼るな――ッ!!」



かなり小声だったのに、樹は地獄耳みたいだ。

灯ちゃんとルームミラーで樹の表情を見ようとする。



「「うわっ;;」」



けど、見て後悔した。

ホラー並に恐怖を感じる樹と、目が合ってしまったからだ。
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