複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
「優香、ケーキ焼いたのか?」



「……」



優香は何も言わずに俯く。

義父親が「お母さん。開けてみさない」と言うと、義母親が「はい」と、赤い袋を膝に置いて箱を開けた。

出て来たのは、母親が好きなチーズケーキ。

ハート型のホワイトチョコには、“お誕生日おめでとう お母さん”と書かれてる。



「…優香…っ…!!」



義母親は優香を抱き締めに来た。

俺は優香の手を解放し、ケーキを見つめてると、匠が袋を勝手に開けた。



「…母さん!レストランのチケット!!」



「煩いよ、匠兄!」



匠を黙らせる保。

義父親が「優香もお母さんも座りなさい」と言うと、優香は俺と樹の間に座らされた。
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