複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
只でさえ暗い雰囲気。



「あのプレゼントは、援交で稼いだ金で買ったか」



口が悪い方で、素直じゃない樹が余計な一言を言った。



「兄貴!!」



「言い過ぎでしょ!」



匠と灯が樹を注意。

優香は泣きそうな顔で立ち上がった。

俺が優香の腕をまた掴む。



「お兄ちゃん。それは違うわよ」



すると縁が、優しい声で呟きながら立ち、「座って。優香はここに居て良いのよ」と、優香の背中を押し、頭を撫でた。

俺と一緒に座った優香は、不安そうな顔で縁を見上げた。

縁はニコッと笑い、樹の頭を叩いた。
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