suppai~僕らは間者!?~
「すっぱい……」
チーフと顔を見合わせた。
「ちゃんと意味がある単語になってたんだね」
「ちょっとチーフ!!それどういう意味!?」
「スパイはSPYだろ」
「へー!!三文字でいいの!?」
「いいの」
「すごいねっ」
「凄くねぇよ。常識だろ」
「チーフ!!えすぴーわいで、すぱいだよ」
「んぁ」
「つーかその落書きどうすんの?」
「……くばろうかなって」
「やめろ」
「なんで!?すっぱいから!?」
「いや、すっぱくはないけど、てか質問可笑しいって、すっぱいって書いてあるから?って聞けよ。それじゃまるで俺がそのチラシ食べたみたいな言い方になるよ」
「え?紙はたべれないよ?」
「食おうとも思わないから」
「良かった」
「なんで安心するんだよ。不安を抱くな」
「なんで配っちゃいけないの?」
「チラシの裏だから」
「表面とくらべたら見おとりするかな?」
「そういう問題じゃなくて、配るならちゃんとした紙にしたほうがいいよ」
「あとご注文は?」
「まるで俺がチラシ作りたがってるみたいな言い方すんな」
「後はすっぱいをえすぴーわいに変えるだけでいい?」
「いや……」
「まだなんか文句あんのっ?」
「違うんだけどさ……」
ちょっと言いにくそうに口元を歪めるウメシュ。
「なにっ?」
「……そのままでも良いんじゃない?」
「え?」
「いいよ。すっぱいで。なんからしくて良い」
そう言われて、なんだか誉められたみたいな気分になってちょっと嬉しかった。
「そ?じゃあコレで」
でもなんだか照れ臭くてそっけなく返したら、隣で黙って話を聞いていたチーフがニヤニヤしてて、なんだかますます照れ臭くなった。