執事と共にホワイトデーを。
「春樹」


先ほどとは違う、力強い声。

春樹は、両手の間にある恵理夜の顔を見下ろした。


「……どこにいても、私を見失わないでね」


恵理夜は、通る声と真っ直ぐな瞳でそう言った。


「貴方が、望むなら」


春樹は、はっきりと微笑んだ。


その時――
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