執事と共にホワイトデーを。
「おや、早くにどうかしたかい、恵理夜。今日は学校だろう」


シラヤナギは、30代半ばの聡明な顔に驚きを滲ませた。

その細面の顔は、とても極道の人間とは思えなかった。


「いえ、実は昨夜から春樹が居なくて。何か、聞いていないかと思ったので」

「春樹が?」


常に、恵理夜の傍を離れない彼を良く知るシラヤナギも、驚きを隠せないようだった。
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