執事と共にホワイトデーを。
「たった、これだけの距離で息切れとは……」


先日の入院のおかげで、体力の衰えをダイレクトに感じた。

切れ切れの息で自分を嘲るように呟く。


「……お嬢様に、顔向けできなくなってしまうな」


恵理夜の顔を思い出し、春樹は自分を奮起させた。

速度を落とそうする足を叱咤し、春樹は更に走り続けた。
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