執事と共にホワイトデーを。
「久しぶりね。お見舞いにいった彼、退院したのかしら」

「おかげさまで」


と、恵理夜は微笑んだ。

恵理夜は、春樹が入院した際、この花屋でお見舞いの花を買ったのだ。


「そうそう、貴女に預かり物があるわ」


店主は、そう言って小さな花束を差し出してきた。


「その手紙の場所に届けてくれ、っていう伝言を頂いたわ」


小さな花束には、先ほどと同じ封筒の手紙が添えられていた。
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