執事と共にホワイトデーを。
「それから、これはお前ぇにだ。春樹」


祖父は、春樹にも大きな箱を手渡した。


「私に、でございますか」


流石の春樹も困惑している。


「ああ、何のために昨日今日とお前ぇを付き合わせたと思っている」

「ですが、」

「こないだのバレンタインチョコは、お前ぇの力作でもあるって聞いたからな。お返しはせにゃあな」


と、祖父は老年とは思えないほど快活に笑った。
< 95 / 125 >

この作品をシェア

pagetop