よゐしこのゆめ。
はぁ、と大きく息を吐いて、わたしはテーブルに伏せた。
顔は、フジと反対側に向ける。
「寝るなよ?」
「寝ないよ」
「今にも寝そうな顔してるけど」
わたしの背中側から、わざわざ顔を覗き込んできたフジは、そういうとまた笑った。
フジの笑顔は、葉の隙間から差し込む光みたいに、穏やかで、あたたかい……。
「別に良いでしょ」
「良くないし。せっかく話し相手が来たのにさー」
元の体勢に戻ったフジは、そのまま口を開いた。
「それに、思い出さないようにって嫌なことを封印したって、意味ないだろ。ある程度納得した上で忘れないと……。
何か、またきっかけができたら思い出して、苦しむだけなんじゃね?今の歩巳みたいに」
「……そうかもね」
少しなげやりに答えると、フジはその後何も言わなくなった。
さっきまであんなにうるさかったのに……。
これはこれで、調子が狂う。
「ねぇ、世間話しよ!」
「は?」
体を起こすと、意外にもフジはずっとこっちをみていたみたいだった。
封印したって意味がない……―――
その言葉の意味は、わかってるつもり。
でも、今は少しでも、封印しておきたい。
わたしは、眉間にしわを寄せるフジににこっと笑いかけて、勝手に話を続けた。
顔は、フジと反対側に向ける。
「寝るなよ?」
「寝ないよ」
「今にも寝そうな顔してるけど」
わたしの背中側から、わざわざ顔を覗き込んできたフジは、そういうとまた笑った。
フジの笑顔は、葉の隙間から差し込む光みたいに、穏やかで、あたたかい……。
「別に良いでしょ」
「良くないし。せっかく話し相手が来たのにさー」
元の体勢に戻ったフジは、そのまま口を開いた。
「それに、思い出さないようにって嫌なことを封印したって、意味ないだろ。ある程度納得した上で忘れないと……。
何か、またきっかけができたら思い出して、苦しむだけなんじゃね?今の歩巳みたいに」
「……そうかもね」
少しなげやりに答えると、フジはその後何も言わなくなった。
さっきまであんなにうるさかったのに……。
これはこれで、調子が狂う。
「ねぇ、世間話しよ!」
「は?」
体を起こすと、意外にもフジはずっとこっちをみていたみたいだった。
封印したって意味がない……―――
その言葉の意味は、わかってるつもり。
でも、今は少しでも、封印しておきたい。
わたしは、眉間にしわを寄せるフジににこっと笑いかけて、勝手に話を続けた。