AL†CE!


「いやあ、喋れんだなと思って」

大地はしみじみと言ってみせた。


「喋れるに決まってんだろ」
功がバカにしたように言う。


「もっと部員と関われよ」

大地の言葉に、功はゆっくり息をすった。

「いやぁ…」
と息をはく。

「絢華もいるし、中学んときの奴らがすげぇいいチームで、なんかめんどくてさ」

そこまで言ってから功は、またくしゃっと笑った。


「俺ガキだな」


いわゆる燃え尽き症候群というやつなのだろうか。

大地は功の頭をはたく。

「トップから落っこちないように頑張ろうぜ」


功はまっすぐな目で、そう言った大地の目を見た。


大地も目はそらさない。


「国立まで一緒に行こうぜ」

功は、子犬の笑顔でうなずいた。


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