AL†CE!

「有末さん!」

美人で有名な佐柚のことを、やはり知っているようだった。

「今の話、本当ですか!?」

「まあ…噂だけど…」
「銀台のホストクラブですよね?」
「そうそう、みんなはそう言ってるよ」

佐柚は頭が真っ白だった。
「ありがとうございます!!」

それだけ言って、佐柚は走り出した。

なんだ?という不思議そうな男子達の声を背中にあびながら、佐柚は走った。

もし本当に、2人がそんな仕事をしているなら、それはおそらく自分のためだろう、と佐柚は思った。

走りながら、携帯を開く。

アドレス帳から、電話番号しか登録されていない大地の名前を探し、かけた。

しかし、すぐに留守電になってしまった。

「くっそ…」

功の連絡先は知らない。
仕方なく佐柚は電話を切り、代わりにア行に指を滑らせた。

「もしもし?アリス。……失敗だよ」
< 46 / 159 >

この作品をシェア

pagetop