AL†CE!

佐柚が、真っ赤な唇を割った。
「許さない」

大地と功は何も言わない。

「大地と功さんが、あたしのせいでおかしくなるのは、許さない」

大地と功は、うん、と頷いた。

「あたしの借金なの」
佐柚は泣きそうだった。

「だから2人は、あたしのそばにいるだけでいいよ」

功が立ち上がる。
「なんだそれ」
くしゃっと笑った。

大地も立ち上がる。
伸び上がった。

「あ~あ!救済作戦は失敗か?」


3人は歩き出した。
佐柚が真ん中だった。
いつも、そうだった。

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