「 俺の彼女になってみる? 」
「 先輩 」
「 ほらあ、どうしてくれんの?篠原さん。
美代泣いちゃったじゃん 」
少し俯き加減になって、悲しそうな演技をした
「 もういいじゃんか。
先輩が幸せなんだからさ 」
輪に葉月が入ってきた。
バレないように私にウィンクをしながら
クルッと女子の方を向いた
「 そんなに沢に文句言ってたら
先輩に嫌われちゃうよ、美代ちゃん 」
葉月の言葉に美代ちゃんは顔を上げ
泣くのをやめた
チャイムが鳴り、皆席についた
先生が同時に入ってきた
「 え-っと、篠原
HRの話し合いしろ。
先生、ちょっと職員室行ってくるわ 」
ガタッと立ち上がり黒板の前に立った
先生は早々と出て行き
教室は一気に騒がしくなった
「 えーっと…静かにして- 」
私の声で 急にシラけた
....何これ。
「 学園祭の店の提案がある人いますか 」
…誰も手を上げない
それどころか騒がしくなり、誰も話を聞いていない
「 つーかさ、それくらい自分で決めればぁ?
蒼 先 輩 と 。 」
美代ちゃんの声だった。
さっきまで泣いてませんでしたっけ
「 いや、クラスで決めるんで。 」
「 じゃあさ、謝ってよ
蒼先輩と付き合ってごめんなさいって。 」