―earthquake― 被災地から伝えたいこと
カウンターの下から出ると、いつもとは違う光景・・・
棚のお皿は割れ、焼酎などのお酒のビンも割れ、業務用の大きな冷蔵庫まで全開になって、前にせりだしていた。
―厨房は大変な状態だった。
カウンターの上も・・・
さっきまで読んでいた卒業文集にも、ジュースがこぼれていた・・・
ママのファンデーションは割れ、何もかもがぐちゃぐちゃになっていた。
「これ―・・・」
言葉が出なかった。
これほどまで大きな地震は今まで経験したことがなかったから・・・
「大丈夫・・・?」
泣きそうな声でママが二階から降りてきた。
「なんとか大丈夫・・・」
「でもきんちゃんが・・・きんちゃんがいなくなっちゃったの!」
きんちゃんとは、あたしのうちで飼っているネコのきんたろうのこと。
きんちゃんはビビりで、ほとんど外に出たことがない・・・
外に逃げたら生きていけない―――
あたしは直感的にそう思った。
「部屋にはいないの!?」
「窓の鍵閉めてなかったから、地震のときに開いちゃって・・・そこから外にでたかもしれない」
あたしとママは急いで外に探しに向かった。