赤い狼 壱





と、ほのぼのとしている私と香に絶望的な実の言葉が降ってきた。





「ってか、今日ラッチョ先生にサボりって思われてると思うよ~。」



「はっ!?」




いやいや。ちょっと待って。それは困る!サボりってサボりって!!………あ。遅刻しますって学校に連絡入れてなかった…。あー終わった。




ガックリと肩を落としながら横目でチラリとまだ寝ているラッチョ先生を目に入れる。



……相変わらず素敵なヘアーですね。ラッチョ先生。




あ。"ラッチョ先生"っていうのは私達の担任の先生で、英語の先生をしている。それで、何で"ラッチョ先生"って言うのかというと…




ハゲてるから、『ハゲラッチョ』から取って『ラッチョ先生』。うん、素敵な名前だ。これなら先生には寒そうなヘアーでこんなあだ名が付けられているなんて絶対にバレないだろう。




名付けの親、実。グッジョブだ。


塚、サボりなんてヤバイんですけど。親怒るんすけど。




「…サボりって……何で。」



「何でって…ラッチョが

「今日は白兎は居ないのか。誰か知らないか?」

って聞いたてきたからクラスの女子が

「サボりじゃない~?」

って答えたの。だからラッチョ先生は稚春は今日サボったと思ってるよ~。」




嘘だろ、おい。



ナメんな女子。いや私も女子だけれども、勝手に決めんな。




< 154 / 299 >

この作品をシェア

pagetop