赤い狼 壱
耐えきれねぇ。そう思ってこれで最後だ、とチラッと学校内を見る。
すると、居た。艶のある長い髪の毛。大きな目。透き通った肌。細い手足。
確かに、稚春だ。
たぶんこの時の俺は顔に嬉しい、と素直に出ていただろう。それほど嬉しかった。
「ちは「キャー!連君こっち向いてー!!」」
稚春を呼ぼうとした瞬間、女に遮られて顔を歪める。黙れブスが。俺は稚春に用があるんだ。
「邪魔だブス。消え失せろ。」
そう思った時にはもう口に出ていた。だけど、すげぇ睨み効かせて言ったつもりなのに全く効いた様子はねぇ。
「かーわいーい!」
「今から一緒に遊ぼうよ~。」
むしろ、悪化した気がする。…どういう事だよ。
女どもに睨みが効かない事にテンパる。するとこっちを見ていた稚春と目があった。
…――――っ!
「稚っ春ー!逢いたかったぜっ!!!」
目が合った瞬間、女の集団から抜けて稚春に飛びつく。飛びつかれた稚春が小さく悲鳴の声をあげた。
それさえも何故か嬉しくなってぎゅっと抱きつく。