桜の木の下で

saido刹那

「お久しぶりじゃのう。刹那。」

「ああ。久しぶりじゃの大長老。」

「3000年の眠りから醒めた気分はどうじゃ?」

「よい。」

「そうか。おぬしの探し求めていた桜乙女とやらは見つけたのか?」

「ああ。」

「ほう。そうかそうか。」

「ようはそれだけか?」

一刻も早く瑠璃の元に戻りたい。

じゃが長老は笑いながら話を進める。

「まあそう先を急がずともよいではないか。わしも桜乙女をみたいのじゃが。」

「瑠璃を?しかし瑠璃はまだ桜乙女の能力は目覚めておらぬ。だから無理じゃ。」

「それはどうかのう。」

笑いながら様子を伺ってくる大長老。
気に食わぬ。

「どういう意味じゃ?」

「まあよい。そのうちわかるじゃろ。」

「意味がわからぬ。わしは人間界へ戻るからの。」

「戻れればよいのう。」

「どうゆう意味じゃ。」

「さあ。そのうちわかるじゃろ。」

相変わらず笑いながら様子を伺ってくる大長老。

「わしは帰る。」

そう言って大長老の部屋を後にする。
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