桜の木の下で

saido刹那

仙樹に無茶なことを言われた瑠璃。

「私、やります!」

「瑠璃?」
ほんとうにやるのか?

「まかせて!」

自信いっぱいに答える瑠璃。
ああ、やはり成長したの。

瑠璃が弓と矢を構えて放つ。

あの弓と矢は百合の・・・・
百合は瑠璃を認めたんじゃな。

その瞬間まじないがはじけとぶ。
やはり、強い。

「やった!!」

嬉しそうにはしゃぐ瑠璃。
中身はかわらぬの。

「瑠璃!やったのう。」

微笑みかけると瑠璃の嬉しそうな顔が見える。

「刹那。瑠璃さん。御主らの勝ちのようじゃ。帰りなさい。仙樹も文句はないな。」

大長老が話しかける。
仙樹ももはや反論する気力もないようじゃ。

「・・・・・。ええ。私の負けね。」

「仙樹もこう言っておる。刹那。」

急に呼びかける大長老。

「なんじゃ大長老。」

「今度こそ幸せにな。」

「ああ。」

なんだかんだ言っても大長老はわしのことを見守って
いてくれたのかもしれんな。

「さあ。人間界にもどろう。」

そう微笑んでわしは瑠璃の手を引く。





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