桜の木の下で
桜の木の下で。
やっと帰ってきた私と刹那。

「お帰り刹那。」

改めてそう言うと抱きしめられた。

「ああ。約束通り、おぬしのもとに戻ってきたぞ。」

「うん。」

嬉しくて涙ぐむ。

「おぬしは本当に涙脆いのう。」

そう微笑んで優しく涙をぬぐってくれる刹那。
そうしてお互いに見つめあう。

やっとやっと逢えたね。

「あ、刹那!刹那が伝えたいことってなに?」


「ああ。もし、おぬしさえよければなんじゃが。」

若干口ごもり赤くなる刹那。

「ん?」

「わしの嫁にならぬか?」

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