それでも私は生きている



仙台だって目に見える被害は少ないかもしれないけど、被災地なんだ。

それなのに、赤の他人…今日会ったばかりの私にこんなにも優しくしてくれる雛子ちゃんにも雛子ちゃんのお母さんにも感謝してもしきれない。


「お風呂沸いたらすぐ入ってね?その間にお母さんが美味しい物作ってくれるはずだから。」

「……雛子ちゃん…ありがとう。」

「気にしないで!あ、でもお母さんのご飯美味しいかはわからないからね?」


茶目っ気たっぷりにそう言った雛子ちゃんに私は自然の笑顔になれていた。

それがまた、少し救われたんだ。



それから30分もしないうちにお風呂に案内してもらって、温かい湯舟に浸かれた。
津波に流されて海水でベタベタしていた体を洗っていた時に初めて気付いた無数に付いた切り傷や青痣、気を張っていたから気づかなかったのかもしれない。

お風呂場に備え付けられた鏡で見た私は傷だらけで、まるでそこらにいる捨て猫みたいだ…なんてほんの少しだけ笑えてしまった。


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